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2010年5月8日土曜日

中和 正彦『一人ひとりのまちづくり―神戸市長田区・再生の物語 (ドキュメント・ユニバーサルデザイン)』より

ハンディがあろうが無かろうが、誰でも読書を楽しめるようにITを活用できないか、と以前から考えていました。そこで、ユニバーサルデザイン(UD)という理念もちゃんと知りたい。ユニバーサルデザインがどのように世の中で活用されているのか知りたいと思い始めました。そこでこの本を購入しました。
本の内容は、「阪神・淡路大震災」で被害を受けた神戸のある地域が再生していく話でした。 地域を立て直すにあたって、それまで意識されていなかった
  • 外国から神戸に移り住んできた方々や
  •  何らかのハンディがある方々、
  • 健常な方々など、
いろいろな立場の方が多様に共存していることを 地域のつながりを深めていくことで理解していくお話でした。
  • 震災で破壊された地元を立て直すために、地元の人々がいろいろと試行錯誤して取り組まれていく様子や、
  • ハンディがある方々とも連携をとって、ユニバーサルデザインをとりいれること
が描かれています。 「多様な方々がより住みやすくなるように、実践されている記録」に感銘を受けました。

ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い

バリアフリーは、「障害がある方に配慮したもの作り」と認識していました。「ユニバーサルデザイン」というと「バリアフリー」と同じものかと思っていました。

ですが、 ユニバーサルデザインはハンディがあろうとなかろうと、すべての人が使いやすい商品・サービスを提供することのようです。

ユニバーサルデザインのように「歳をとっても、誰が使っても使いようにものを作っていこう」という考え方の方が、結果的にかかる費用も減るし、誰もが使いやすい世の中になりうるな、と考えさせられました。
  • 道路の段差をなくすなどだけでなく、
  • 食べやすく工夫された食べ物のユニバーサルデザイン、
  • 言葉やコミュニケーションのユニバーサルデザインなど、
「ユニバーサルデザイン」はいろいろなものに取り入れられるのだなと知りました。



神戸市長田区の再生

また「阪神・淡路大震災」で壊滅的な破壊をされた長田の方々が、さまざまな立場を超えて、徐々にみんなが暮らしやすく、活気ある町にしていこうとされている様子にも感銘を受けました。ユニバーサルデザインは、もの【物体】に対する概念だけでなく、人の生き方、感じ方もあらわすのだな、と考えさせられました。

「みんなが幸せに」はなかなか実現していないのが現状ですが、このような考え方で生きやすい世の中を作ろうとしている取り組みは、もっと世の中の方々に知っていただきたいです。ユニバーサルデザインは知性でもあり、感じる力でもあるのではないでしょうか。

読書のユニバーサルデザイン

本の内容も読みやすくて素晴らしかったのですが、 本の活字が普通の本より大きめで「ふりがな」がついている点もよかったです。読者によっては不要と思われる方もいるかもしれません。ですが、紙の本でユニバーサルデザインを試みられているのは大事なことだと感じました。

なぜならば、世の中には紙の本を読みにくい方々が一定数いるからです。ユニバーサルデザインという考え方が一般の方々にも知っていただけるように。実践していただけますように。

今回紹介した本

編集履歴:2014.4.17 21:00  以前、CNET読者ブログに書いた記事を改稿。題名を前半部分を別記事「電子書籍が日本で普及しそうな兆し -読書のユニバーサルデザインは広まるのか-」として独立。見出しを追加。2015.6.17 15:00 句読点を追加。冒頭にあった「以前から」を「考えて」の前に移動。「バリアフリーは、」の一文を一つ前の文章の前に移動。「で、」→「替えが枯れています」に修正。